かつてネット小説書いてた人のリハビリ場所
~東方家のおやつ事情~
小腹がすくと、なんとも言い表せないちょっと不快な油っぽい匂いがしてくる。
そろそろおやつの時間か。さて、今日のフレーバーは何かな?
シンプルに塩か、コンソメか青のり&しおか、はたまたハーブ&ソルトか……。
今日も今日とて、飽きもせず大盛りのフライドポテトがテーブルに置かれている。ざっと見積もって500グラム分はあるだろうか。
母はニコニコと笑顔でそれをすでに摘まんでいた。今日のポテトにはどうやら青のりと塩がまぶしてあるようだ。
我が家の冷凍庫の半分は常時業務スーパーで仕入れてきた冷凍のフライドポテトが3袋以上ストックされている。ちなみに一袋は1キロだね。冷凍庫の引き出しが重さで壊れなきゃいいけど。
普通に同じものがストックされていると思ったら大間違い。フライドポテトにもいろいろな種類がある。
細めでよく利用するファストフードでお馴染みのサイズであるシューストリング。
ちょっと太くてホクホクに出来上がり、食べ応えのあるレギュラーカット。
皮付きでくし形切りタイプのウェッジカット。
みじんのポテトを成型したちょっと油っこくなってるハッシュポテト。
気分や用途によって、ちゃんと使い分けられている。
突然、ジャーマンポテトが食べたくなったらウェッジカットをレンチンして使うといいし、ハンバーグの付け合わせならストレートクリンクルが好きかな。
そんな感じで、ちょっと腹が減ったと漏らせば、ポテトしか出てこない。
ぐらい、人より多くのフライドポテトを食って育ってきた。
おれの体の8割はポテトでできている!
飽きたなんてぼそっと言ってしまったら、母に羽交い絞めにされ、いもを口に詰め放題にされて何も言えなくさせる。
よく双子の兄の下のほうがよくポロっと不満を言ってしまうから、地獄耳の母はそれを聞き逃してはくれないのでよくそんなことになっている。それを模範としているおれと双子の兄の上のほうは要領が良かった。
黙って食べればいいだけなんだが。
いつも味は違うので飽きはこないよう工夫はされているし。と、思いたいんだけど、父曰はく、母さんが食べたいと思った味が出てくるだけなんだとか。まぁ、何味が出てきてもなぜか飽きない。ファストフード店に行ってもセットでポテト選ぶし。
いつの間にか、家族全員がポテトを囲み、つまんでいた。
ふと、父が鼻で笑って、ポテトを見つめながら語り始めた。
「高校の文化祭のときもフライドポテト屋監修して、昼食も味違いのイモばっか食って、デートといえばファストフード店で黙々とイモを数えながら食ってたな。父さんと母さんの青春の思い出には、必ずポテトがあった……。今では家族になり、子供と一緒にポテトを食べることになるとは……」
「ポテトで結ばれた縁なの?」
なんのこっちゃ。
幼いころ、父と二人でのときに両親の馴れ初めを聞いたことがあった。
ゆうちゃんと遊びたいのに、いつも双子の兄たちが取り囲んでどうしようもなく、年下だからと仲間外れにされてしょげて帰宅したときだった。
ウチの両親も母が年上で、高校の先輩だったとか。
母が野球部のマネージャーで、父がサッカー部員という当時は背反する関係で、最初はいい印象ではなかったらしい。
母さんと比べたら非常に落ち着いて見える父なので、たぶん母の暴力と紙一重な猛烈アタックにより、振り回されて現在に至るのではないかと思っている。気付いたら、気になってたとか言ってた気がするけど、強引に迫られてその気にさせられてしまったのではないかと思えなくもない。
多分、おれは父に似て年上女性に振り回されるタイプなのかもしれない、と勝手に思っている。おれに主導権がないとか、奥手すぎのヘタレというわけではないんだけど。
やるときはまぁ……頑張りますよ。
ずっと大好きだった人と想いが通じていたのだから。
小腹がすくと、なんとも言い表せないちょっと不快な油っぽい匂いがしてくる。
そろそろおやつの時間か。さて、今日のフレーバーは何かな?
シンプルに塩か、コンソメか青のり&しおか、はたまたハーブ&ソルトか……。
今日も今日とて、飽きもせず大盛りのフライドポテトがテーブルに置かれている。ざっと見積もって500グラム分はあるだろうか。
母はニコニコと笑顔でそれをすでに摘まんでいた。今日のポテトにはどうやら青のりと塩がまぶしてあるようだ。
我が家の冷凍庫の半分は常時業務スーパーで仕入れてきた冷凍のフライドポテトが3袋以上ストックされている。ちなみに一袋は1キロだね。冷凍庫の引き出しが重さで壊れなきゃいいけど。
普通に同じものがストックされていると思ったら大間違い。フライドポテトにもいろいろな種類がある。
細めでよく利用するファストフードでお馴染みのサイズであるシューストリング。
ちょっと太くてホクホクに出来上がり、食べ応えのあるレギュラーカット。
皮付きでくし形切りタイプのウェッジカット。
みじんのポテトを成型したちょっと油っこくなってるハッシュポテト。
気分や用途によって、ちゃんと使い分けられている。
突然、ジャーマンポテトが食べたくなったらウェッジカットをレンチンして使うといいし、ハンバーグの付け合わせならストレートクリンクルが好きかな。
そんな感じで、ちょっと腹が減ったと漏らせば、ポテトしか出てこない。
ぐらい、人より多くのフライドポテトを食って育ってきた。
おれの体の8割はポテトでできている!
飽きたなんてぼそっと言ってしまったら、母に羽交い絞めにされ、いもを口に詰め放題にされて何も言えなくさせる。
よく双子の兄の下のほうがよくポロっと不満を言ってしまうから、地獄耳の母はそれを聞き逃してはくれないのでよくそんなことになっている。それを模範としているおれと双子の兄の上のほうは要領が良かった。
黙って食べればいいだけなんだが。
いつも味は違うので飽きはこないよう工夫はされているし。と、思いたいんだけど、父曰はく、母さんが食べたいと思った味が出てくるだけなんだとか。まぁ、何味が出てきてもなぜか飽きない。ファストフード店に行ってもセットでポテト選ぶし。
いつの間にか、家族全員がポテトを囲み、つまんでいた。
ふと、父が鼻で笑って、ポテトを見つめながら語り始めた。
「高校の文化祭のときもフライドポテト屋監修して、昼食も味違いのイモばっか食って、デートといえばファストフード店で黙々とイモを数えながら食ってたな。父さんと母さんの青春の思い出には、必ずポテトがあった……。今では家族になり、子供と一緒にポテトを食べることになるとは……」
「ポテトで結ばれた縁なの?」
なんのこっちゃ。
幼いころ、父と二人でのときに両親の馴れ初めを聞いたことがあった。
ゆうちゃんと遊びたいのに、いつも双子の兄たちが取り囲んでどうしようもなく、年下だからと仲間外れにされてしょげて帰宅したときだった。
ウチの両親も母が年上で、高校の先輩だったとか。
母が野球部のマネージャーで、父がサッカー部員という当時は背反する関係で、最初はいい印象ではなかったらしい。
母さんと比べたら非常に落ち着いて見える父なので、たぶん母の暴力と紙一重な猛烈アタックにより、振り回されて現在に至るのではないかと思っている。気付いたら、気になってたとか言ってた気がするけど、強引に迫られてその気にさせられてしまったのではないかと思えなくもない。
多分、おれは父に似て年上女性に振り回されるタイプなのかもしれない、と勝手に思っている。おれに主導権がないとか、奥手すぎのヘタレというわけではないんだけど。
やるときはまぁ……頑張りますよ。
ずっと大好きだった人と想いが通じていたのだから。
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義理の母は16歳☆番外編3スピンオフSS
「覚醒! 桜井大志」
中央高校サッカー部一年、ポジションはフォワード。
背番号は18、桜井大志(さくらい たいし)。
入れ替わりで卒業した姉――野球部の鬼マネージャーと呼ばれていた「桜井伊吹(さくらい いぶき)」の弟である。
中学までは野球一筋、だけどもっぱら補欠。まぁ、姉にやらされてたというところもあり、さほど興味がある方でもなかったけど、そこそこ好きなスポーツではあったと思う。
なんて偉そうなこと言えるほど試合に出たこともないけど。
サッカーは高校に入ってから始めた。きっかけは、家庭教師をしてくれた姉の後輩……サッカー部に所属していた東方天空(とうぼう そら)さんの影響である。
近所に住むお兄さんであり姉の同級生でもある――青木創(あおき そう)くんも、サッカー部でゴールキーパーをしていた。文化祭での催し物で「キーパー危機一髪」とかいうゴールにボールを叩き込んだらサッカー部員が願い事を聞くだかどうだかというイベントで、あっさり創くんのゴールを割ってしまったり、というのも一応理由にある。
決してサッカーチョロいとか思ったわけではない。でもちょっと思った。
野球と違って、試合時間中ずっと動きっぱなしのサッカーに興味を持った。これならきっと、ぼんやりする時間もない。
勉強よりは運動が好き。そんな単純構造。
今日も寝起きから足に2キロずつ、手首にも2キロずつ、合計8キロのウェイトを巻くことから始まる。
相変わらず身長の伸びが悪く、成長期に突入すると見込んで買った大きめの制服をダボつかせ、まぁウェイト隠せてちょうどいい。自転車のペダルを漕いで漕いで、三十分弱で到着するのが、県立中央高校。
駅近住宅街にポツンと建つこの学校、ギリギリ全国大会に出れる野球部とサッカー部がありながらグラウンドがさほど広くなく、練習がまともにできないせいでいがみあいがあったとかなんとかだけど、ここ数年でずいぶん落ち着いたんだとか。
まだまだシロートの域なのに、初試合は意外と早くやってきた。
なんと、総体出場を決めるような試合に出されたのだ。
対戦相手は若月学園高等学校。部活動にめちゃくちゃ力を入れてる学校で、設備がとにかくすごい!
滑り止めで受験した学校だから行ったことあるけど、外から見るだけでもすごいところだった。
なにやら部員数もすごいらしく、一度も試合に出れずに高校生活を終える人もいるとか。なんとも厳しい世界……。
僕はあっさり試合に出してもらえて、今後ずっとベンチ入りさえできないまま卒業を迎えることになっても、もう十分ではないかと思う。
試合開始ギリギリで、手足のウエイトをビリビリと外す。8キロの呪縛から解き放たっれ、軽くなる身体。素早さ30%アップ。
どうも相手ベンチから視線を感じるなって思うには思ったけど、あの学校に行った同級生が試合に出てるとは思えないし――たくさんの部員が応援のために並んでいる観客席からなら分かるんだけど。だいたい、高校に入ってサッカーを始めた僕にサッカー関連の知り合いがいるわけがない。
気にはなるけど……今はこれから始まる試合に集中しないと!
今日は調子がいい。ボールを奪いに来る相手校の選手をばんばん抜いて、ゴール目前!
初ゴールもらったぁ!
確信した瞬間、ボールが奪われ、遠くに蹴り戻された。
僕を止めるやつがいるなんて!
調子が良すぎたせいで、止められたことに腹が立つ。
若月学園、背番号8……3年生かな、と思った。でもそんなに体格は良くないどころか、僕よりちょっと身長が高い程度。
彼がこちらを向いて、ニヤリと笑う。見覚えのある、誰かに似た面影だった。
「久しぶりだね、大志くん」
記憶にある彼より低い声で、間違いなく僕の名を呼ばれたことで、確信に変わった。
突然いなくなって以来、連絡もくれず、どこにいるのかさえ分からなくなっていた幼馴染み――
「まさか……蓮くん!?」
近所に住んでいた同級生。創くんの弟、青木蓮(あおき れん)。
「根っからの野球少年だと思ってたから、こんなところで再会できるなんて驚きだよ」
「あれは、姉の押しつけだよ!」
まだ試合中だ。のんびり立ち話をしているわけにはいかないので、ボールを追って駆ける。
「そうだな、子供の頃もオレたちはサッカーして遊びたかったのに、お前の姉の威圧は殺人級だった」
「今でも健在だよ、その威圧」
「ハハッ、思い出したくないな」
「創くんも、サッカーやってたんだよ」
「……知ってる、テレビで見たから。すげーな、国立って。オレも中学から若月でサッカーやってたけど、歳の離れ具合から試合で一緒になることは叶わなかったけど……大志に会えて嬉しいぜ!」
「どっちが先に武道館に行けるか、競争だね!」
「望むところだ!!」
僕たちはボールを奪い合いながら、再会を喜んだ。
外野席のチアと応援団。
吹奏楽部のアメリカンシンフォニー。
同点で迎えた9回の裏、ツーアウト満塁という状況でバッターボックスは僕。
今日はいける!
自信は確信へ――!!
人生初めての、試合で満塁ホームラン!!
「――って夢を授業中に見たのだ」
珍しくはっきりと覚えていた夢のことを、ちょっと盛りつつ話し終えたところで……聞き手の天空さん、お姉ちゃん、創くんが呆れた表情でため息をついた。
「サッカーの話じゃなかった? 途中から野球になってなかった?」
「アメリカンシンフォニーじゃなくて、アフリカンシンフォニーだから!」
「……もう帰っていい?」
と、創くんが立ち上がる。
「でも、もしかしたら蓮くん、若月に……」
「夢の話でしょ? 連絡先もわかんないし確認のしようもないし……そもそも探してない」
とは口で言ってても、少し悲しげな表情だった。まぁ確かにそうではあるのだけど……。
何も言えなくなってしまい、帰っていく創くんを見送ることしかできなかった。
天空さんとお姉ちゃんは――
ガン☆
頭を押さえつけられてテーブルに額をぶつけた。
「つまんない夢の話ごときであたしを呼び出さないでくれる? そんなにヒマじゃないんだけどぉぉぉぉおお?」
姉、かなりお怒りで、
「まぁまぁ伊吹、大志くんだからそんなもんだよ」
と、なんかフォローにならないフォローをしてくれる天空さん。
「しかも授業中に居眠りとかどういうこと? 授業料払ってんだから、授業ぐらいちゃんと聞けよ! だから成績がいつもいつも!! 高校は義務教育じゃないから、できないやつは留年するんだよ! そもそも、なんでそんな成績のくせに中央受けて受かってるんだよ、八百長か?」
もう暴れる寸前なので、天空さんが羽交い絞めにしているレベル。まっとうなことを言われてるのはわかるけど、ねぇ、仕方ないよ、僕こういうタイプだから。
そして、僕が二年生になった頃、とある試合の若月学園メンバーに「青木蓮」の名前があり、あのとき夢の話をした三人はたいそう驚いていた。
「まさかホントに……!?」
「学校まではあってたわね。しかし、偉いわあの子。あたしとの約束忘れてなかったのね」
「……まだ野球やってたのか。俺には悪夢とかトラウマでしかないのに」
「何か言った?」
「……いやなんも」
蓮くんは、まだ野球をやっていて、若月学園ナインとして、活躍中だ!
僕も野球部だったら、もしかしたら試合で対戦できたかもね。
「覚醒! 桜井大志」
中央高校サッカー部一年、ポジションはフォワード。
背番号は18、桜井大志(さくらい たいし)。
入れ替わりで卒業した姉――野球部の鬼マネージャーと呼ばれていた「桜井伊吹(さくらい いぶき)」の弟である。
中学までは野球一筋、だけどもっぱら補欠。まぁ、姉にやらされてたというところもあり、さほど興味がある方でもなかったけど、そこそこ好きなスポーツではあったと思う。
なんて偉そうなこと言えるほど試合に出たこともないけど。
サッカーは高校に入ってから始めた。きっかけは、家庭教師をしてくれた姉の後輩……サッカー部に所属していた東方天空(とうぼう そら)さんの影響である。
近所に住むお兄さんであり姉の同級生でもある――青木創(あおき そう)くんも、サッカー部でゴールキーパーをしていた。文化祭での催し物で「キーパー危機一髪」とかいうゴールにボールを叩き込んだらサッカー部員が願い事を聞くだかどうだかというイベントで、あっさり創くんのゴールを割ってしまったり、というのも一応理由にある。
決してサッカーチョロいとか思ったわけではない。でもちょっと思った。
野球と違って、試合時間中ずっと動きっぱなしのサッカーに興味を持った。これならきっと、ぼんやりする時間もない。
勉強よりは運動が好き。そんな単純構造。
今日も寝起きから足に2キロずつ、手首にも2キロずつ、合計8キロのウェイトを巻くことから始まる。
相変わらず身長の伸びが悪く、成長期に突入すると見込んで買った大きめの制服をダボつかせ、まぁウェイト隠せてちょうどいい。自転車のペダルを漕いで漕いで、三十分弱で到着するのが、県立中央高校。
駅近住宅街にポツンと建つこの学校、ギリギリ全国大会に出れる野球部とサッカー部がありながらグラウンドがさほど広くなく、練習がまともにできないせいでいがみあいがあったとかなんとかだけど、ここ数年でずいぶん落ち着いたんだとか。
まだまだシロートの域なのに、初試合は意外と早くやってきた。
なんと、総体出場を決めるような試合に出されたのだ。
対戦相手は若月学園高等学校。部活動にめちゃくちゃ力を入れてる学校で、設備がとにかくすごい!
滑り止めで受験した学校だから行ったことあるけど、外から見るだけでもすごいところだった。
なにやら部員数もすごいらしく、一度も試合に出れずに高校生活を終える人もいるとか。なんとも厳しい世界……。
僕はあっさり試合に出してもらえて、今後ずっとベンチ入りさえできないまま卒業を迎えることになっても、もう十分ではないかと思う。
試合開始ギリギリで、手足のウエイトをビリビリと外す。8キロの呪縛から解き放たっれ、軽くなる身体。素早さ30%アップ。
どうも相手ベンチから視線を感じるなって思うには思ったけど、あの学校に行った同級生が試合に出てるとは思えないし――たくさんの部員が応援のために並んでいる観客席からなら分かるんだけど。だいたい、高校に入ってサッカーを始めた僕にサッカー関連の知り合いがいるわけがない。
気にはなるけど……今はこれから始まる試合に集中しないと!
今日は調子がいい。ボールを奪いに来る相手校の選手をばんばん抜いて、ゴール目前!
初ゴールもらったぁ!
確信した瞬間、ボールが奪われ、遠くに蹴り戻された。
僕を止めるやつがいるなんて!
調子が良すぎたせいで、止められたことに腹が立つ。
若月学園、背番号8……3年生かな、と思った。でもそんなに体格は良くないどころか、僕よりちょっと身長が高い程度。
彼がこちらを向いて、ニヤリと笑う。見覚えのある、誰かに似た面影だった。
「久しぶりだね、大志くん」
記憶にある彼より低い声で、間違いなく僕の名を呼ばれたことで、確信に変わった。
突然いなくなって以来、連絡もくれず、どこにいるのかさえ分からなくなっていた幼馴染み――
「まさか……蓮くん!?」
近所に住んでいた同級生。創くんの弟、青木蓮(あおき れん)。
「根っからの野球少年だと思ってたから、こんなところで再会できるなんて驚きだよ」
「あれは、姉の押しつけだよ!」
まだ試合中だ。のんびり立ち話をしているわけにはいかないので、ボールを追って駆ける。
「そうだな、子供の頃もオレたちはサッカーして遊びたかったのに、お前の姉の威圧は殺人級だった」
「今でも健在だよ、その威圧」
「ハハッ、思い出したくないな」
「創くんも、サッカーやってたんだよ」
「……知ってる、テレビで見たから。すげーな、国立って。オレも中学から若月でサッカーやってたけど、歳の離れ具合から試合で一緒になることは叶わなかったけど……大志に会えて嬉しいぜ!」
「どっちが先に武道館に行けるか、競争だね!」
「望むところだ!!」
僕たちはボールを奪い合いながら、再会を喜んだ。
外野席のチアと応援団。
吹奏楽部のアメリカンシンフォニー。
同点で迎えた9回の裏、ツーアウト満塁という状況でバッターボックスは僕。
今日はいける!
自信は確信へ――!!
人生初めての、試合で満塁ホームラン!!
「――って夢を授業中に見たのだ」
珍しくはっきりと覚えていた夢のことを、ちょっと盛りつつ話し終えたところで……聞き手の天空さん、お姉ちゃん、創くんが呆れた表情でため息をついた。
「サッカーの話じゃなかった? 途中から野球になってなかった?」
「アメリカンシンフォニーじゃなくて、アフリカンシンフォニーだから!」
「……もう帰っていい?」
と、創くんが立ち上がる。
「でも、もしかしたら蓮くん、若月に……」
「夢の話でしょ? 連絡先もわかんないし確認のしようもないし……そもそも探してない」
とは口で言ってても、少し悲しげな表情だった。まぁ確かにそうではあるのだけど……。
何も言えなくなってしまい、帰っていく創くんを見送ることしかできなかった。
天空さんとお姉ちゃんは――
ガン☆
頭を押さえつけられてテーブルに額をぶつけた。
「つまんない夢の話ごときであたしを呼び出さないでくれる? そんなにヒマじゃないんだけどぉぉぉぉおお?」
姉、かなりお怒りで、
「まぁまぁ伊吹、大志くんだからそんなもんだよ」
と、なんかフォローにならないフォローをしてくれる天空さん。
「しかも授業中に居眠りとかどういうこと? 授業料払ってんだから、授業ぐらいちゃんと聞けよ! だから成績がいつもいつも!! 高校は義務教育じゃないから、できないやつは留年するんだよ! そもそも、なんでそんな成績のくせに中央受けて受かってるんだよ、八百長か?」
もう暴れる寸前なので、天空さんが羽交い絞めにしているレベル。まっとうなことを言われてるのはわかるけど、ねぇ、仕方ないよ、僕こういうタイプだから。
そして、僕が二年生になった頃、とある試合の若月学園メンバーに「青木蓮」の名前があり、あのとき夢の話をした三人はたいそう驚いていた。
「まさかホントに……!?」
「学校まではあってたわね。しかし、偉いわあの子。あたしとの約束忘れてなかったのね」
「……まだ野球やってたのか。俺には悪夢とかトラウマでしかないのに」
「何か言った?」
「……いやなんも」
蓮くんは、まだ野球をやっていて、若月学園ナインとして、活躍中だ!
僕も野球部だったら、もしかしたら試合で対戦できたかもね。
何か解析見てたらふらっとリンダページに立ち寄られる方がいらっしゃるので、何だかそろそろ申し訳なさも限界なので、出来上がってる(まだ修正するかも)続き2話分をUPしておきます。
9話が思いのほか短すぎるのでかなり書き足さねばならないとは思ってます。
ほんと、相変わらずのマンガみたいな幼稚な文章で申し訳ない。
9話が思いのほか短すぎるのでかなり書き足さねばならないとは思ってます。
ほんと、相変わらずのマンガみたいな幼稚な文章で申し訳ない。
文章打つことばかりにどうにか毎日こなすのが精いっぱいで、更新作業しようというとこまで手が回る状況ではない。
配偶者を病院連れて行ったりもあるので、なかなかまとまった時間も取れずで。
そういえば先日、20歳年下の息子と自転車ニケツしたんだが、とりあえずケツ痛いわ、怖いわ。
で、ふと、20歳差といえば義ママの貴子さんと裕昭。
裕昭運転の自転車で二人乗りしてキャーキャー言ってる話でも書こうかな、と今日になって気付いた。
どんだけネタ出しサイクル遅いんだよ。
でも今日のSSはリンダでした。
そういえば、千恵さんと華音の初遭遇SSって出したっけ?(大丈夫か?
配偶者を病院連れて行ったりもあるので、なかなかまとまった時間も取れずで。
そういえば先日、20歳年下の息子と自転車ニケツしたんだが、とりあえずケツ痛いわ、怖いわ。
で、ふと、20歳差といえば義ママの貴子さんと裕昭。
裕昭運転の自転車で二人乗りしてキャーキャー言ってる話でも書こうかな、と今日になって気付いた。
どんだけネタ出しサイクル遅いんだよ。
でも今日のSSはリンダでした。
そういえば、千恵さんと華音の初遭遇SSって出したっけ?(大丈夫か?
どうもここ数日、夜寝れず、日中眠くなるので寝てる。
たまにあるんだよねこれ。前回は年明けから夏ぐらいまで。日中動けないからわりと時間が無駄だとは思うが、あの眠気はほんとガマンできないレベル。
この前まで10時に寝て快適生活してたのに。今は布団に入っても時間が過ぎるだけ。寝てくれ。
さて、今日ふとSSネタが降りてきたのでざざーっと書いてきましたよ。
あと、義ママ本編に妖しい部分があるので、資料探しまくってる感じで。無知が知ったかぶって書いてるやつがのちに一番怖い。
たまにあるんだよねこれ。前回は年明けから夏ぐらいまで。日中動けないからわりと時間が無駄だとは思うが、あの眠気はほんとガマンできないレベル。
この前まで10時に寝て快適生活してたのに。今は布団に入っても時間が過ぎるだけ。寝てくれ。
さて、今日ふとSSネタが降りてきたのでざざーっと書いてきましたよ。
あと、義ママ本編に妖しい部分があるので、資料探しまくってる感じで。無知が知ったかぶって書いてるやつがのちに一番怖い。
ありがとうXP。
ということで、いつ書いたかわかんないけど、ふとまた続き書きたいなと思って探してきた文章の1話を晒し首。
どれか1本に絞ってやらないとどれも中途半端になることはわかってるんだけど、それでなくても1本放置(リンダ)、1本始めて(義ママ番外)、1本探してきた(コレ)という状態。
それは置いといて、コレの説明。
CLリメイクがどうのこうのでぽっと出てきたやつ。
着地点が決まってない。
よくあるとりあえず書き始めた系のやつ。
なので2話途中で放置でした。
だけどこれも加筆してサイトに上げれるようにしたいな、と思ってとりあえず、そのままの状態で出しときます。
ということで、いつ書いたかわかんないけど、ふとまた続き書きたいなと思って探してきた文章の1話を晒し首。
どれか1本に絞ってやらないとどれも中途半端になることはわかってるんだけど、それでなくても1本放置(リンダ)、1本始めて(義ママ番外)、1本探してきた(コレ)という状態。
それは置いといて、コレの説明。
CLリメイクがどうのこうのでぽっと出てきたやつ。
着地点が決まってない。
よくあるとりあえず書き始めた系のやつ。
なので2話途中で放置でした。
だけどこれも加筆してサイトに上げれるようにしたいな、と思ってとりあえず、そのままの状態で出しときます。
別にブログでSSやるのを忘れてたわけじゃない。
すでに記憶から消えてまして大変申し訳ございません(スライディング土下座
最近、ちょいちょい義ママ読み返してて、修正作業やったり、資料書き足したり、今日は新作書き始めてみたりと調子がいいので、布団干しながらふと思いついたワード
「裕昭」「エロ本」「結」「弱み」
あたりでざざーっと書いて来ました。時間で言うと30分クッキング程度です。
お久しぶりの文章なのでおかしいかとは思うけど、なんとか、着地できた、かな?
リンダ?
ちょいちょい抜けてんのよねあれも。なら書けよ!ごめんなさい。
サイトいじくるのもソフトがあれでどうしようもなくて、保存中止まるとかありえないし、どうしたものでしょう(遠い目
あのソフトで今後更新していくなら、ごっそり手直しせねばならんくて、ページ数おおいから目眩しかしない、やる気なくなる、だめじゃん。
ということで、ビミョーなSSどぞぞ。
すでに記憶から消えてまして大変申し訳ございません(スライディング土下座
最近、ちょいちょい義ママ読み返してて、修正作業やったり、資料書き足したり、今日は新作書き始めてみたりと調子がいいので、布団干しながらふと思いついたワード
「裕昭」「エロ本」「結」「弱み」
あたりでざざーっと書いて来ました。時間で言うと30分クッキング程度です。
お久しぶりの文章なのでおかしいかとは思うけど、なんとか、着地できた、かな?
リンダ?
ちょいちょい抜けてんのよねあれも。なら書けよ!ごめんなさい。
サイトいじくるのもソフトがあれでどうしようもなくて、保存中止まるとかありえないし、どうしたものでしょう(遠い目
あのソフトで今後更新していくなら、ごっそり手直しせねばならんくて、ページ数おおいから目眩しかしない、やる気なくなる、だめじゃん。
ということで、ビミョーなSSどぞぞ。
サイトの更新手段はない、更新できる内容のものもない。
どうしまようね、わろりん。
なので今日は、「りんだ★りんだ」SS投下しときますね。
本編を順番に書かず、書きたいとこから書いちゃうもので、高校生編のはなしの一つで、華音語りでありますが。
とりあえず、下ネタの類です。相変わらずぶちかましててすみません。
「藤宮華音の災難!?」
続きからどうぞです。
どうしまようね、わろりん。
なので今日は、「りんだ★りんだ」SS投下しときますね。
本編を順番に書かず、書きたいとこから書いちゃうもので、高校生編のはなしの一つで、華音語りでありますが。
とりあえず、下ネタの類です。相変わらずぶちかましててすみません。
「藤宮華音の災難!?」
続きからどうぞです。
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椿瀬誠
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性別:
非公開
職業:
創作屋(リハビリ中)
趣味:
駄文、らくがき、ゲーム
自己紹介:
元々はヘンタイ一次創作野郎です。
絵とか文章とか書きます。
二次もどっぷりはまってしまったときにはやらかします。
なので、(自称)ハイブリッド創作野郎なのです。
しかし近年、スマホMMOにドップリしてしまって創作意欲が湧きません。
ゲームなんかやめてしまえ!
X(ついった)にはよくいますが、ゲーム専用垢になってしまいました。
@M_tsubase
言うほど呟かないSNS
【たいっつー】
@tsubase341
【Bluesky】
@mtsubase341
サイトは、更新する手段がなくなってしまったため、放置になっております。
修正しようがない量なので、あれはなかったことにしてください。
絵とか文章とか書きます。
二次もどっぷりはまってしまったときにはやらかします。
なので、(自称)ハイブリッド創作野郎なのです。
しかし近年、スマホMMOにドップリしてしまって創作意欲が湧きません。
ゲームなんかやめてしまえ!
X(ついった)にはよくいますが、ゲーム専用垢になってしまいました。
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