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かつてネット小説書いてた人のリハビリ場所
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新パソコンお迎えしました。
窓10です。
SSDです。起動はえー!
らいぜん7です。

かつて買ったXPのときと同じで、展示品ですけどw

確定申告用の書類とか作るのに、テンキーないと時間掛かって大変だったけど、たぶん早くなる予定です、まだエクセル使ってないからわかんないけど。

キーボードはまだ慣れてないせいか、もともとブラインドタッチなんてできないから、配列覚えてるだけの指使い適当なもので、誤打が非常に多いです。
キーボードの幅とかに慣れてきたら、たぶん、マシになる予定。
どうでもいいですよ。

8.1は、遅いし急に反応なくなるしで、まぁそんなに困りもしてなかったんだけどねー。
データーのバックアップとか、新パソに持っていくデータをいかに最小限にするかとか、そのあたりに時間掛かってる。もうあれこれ5日目かも。
今日、ようやく落ち着いてワード起動して、そうつばちょこっと打ってた。
なかなか良いです。

これまで使ってたペイントグラフィック2Proが、対応OS8.1までしか書いてない。
ソフトのパッケージ持ってきたら、インストール用のCD入ってたよ。マジかよw
現在シリーズ4まである。
買い替え考える時期ですか?
何年か前に買うだけ買って使ってない、ペイントショップとペインターは導入済み。
まぁ、なんか描く気になったら、それを使うとしましょう。
扱えるかどうかはわからんけど。
ペインターは難しいイメージなんだよね、昔から。

タブレットはその時に繋ぐとしよう。
まだ繋いでない。
ドライバ対応してるかしらw
これも買った途端使わなくなったからなぁ。

といった感じで、新パソからどばどば打ってみた日記でした。

ちょいちょいWeb拍手入ってるの、確認しております。
いつもありがとうございます。

創作意欲もストレスないぐらいに維持できてます。
放置できるMMOに出会ったおかげで、ゲームに縛られすぎない生活が送れてるおかげですかね。
去年の5月から突然飲まなくなったコーヒーもたまに飲むようになった。

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よく忘れてるけど、義ママの番外編3が天空と伊吹の話で、それから派生したやつがそうつばなんだけど。
本編の番外じゃないんだった。

派生なのかスピンオフなのかスピンアウトとどれが正解かしらんが、今回はスピンオフとした。
「覚醒! 桜井大志」
何年前に思いついたネタかよく覚えてないぐらい、余裕で4年は放置されてたかと思われます。
小説としての一般的な形式にとらわれない駄文なので、好き勝手に書いております。そういう仕様なので、辻褄とか伏線とか知らんです。
たぶん、カノマネ書いてたころのネタだこれwww

資料が本編と番外各種全部バラバラでいろいろとおかしいことにようやく気付いてしまったので、一度まとめて書き直しせにゃいかんですね。
ブレッブレなんだよなぁ、いろいろ。

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義理の母は16歳☆番外編3スピンオフSS
「覚醒! 桜井大志」


 中央高校サッカー部一年、ポジションはフォワード。
 背番号は18、桜井大志(さくらい たいし)。
 入れ替わりで卒業した姉――野球部の鬼マネージャーと呼ばれていた「桜井伊吹(さくらい いぶき)」の弟である。



 中学までは野球一筋、だけどもっぱら補欠。まぁ、姉にやらされてたというところもあり、さほど興味がある方でもなかったけど、そこそこ好きなスポーツではあったと思う。
 なんて偉そうなこと言えるほど試合に出たこともないけど。
 サッカーは高校に入ってから始めた。きっかけは、家庭教師をしてくれた姉の後輩……サッカー部に所属していた東方天空(とうぼう そら)さんの影響である。
 近所に住むお兄さんであり姉の同級生でもある――青木創(あおき そう)くんも、サッカー部でゴールキーパーをしていた。文化祭での催し物で「キーパー危機一髪」とかいうゴールにボールを叩き込んだらサッカー部員が願い事を聞くだかどうだかというイベントで、あっさり創くんのゴールを割ってしまったり、というのも一応理由にある。
 決してサッカーチョロいとか思ったわけではない。でもちょっと思った。
 野球と違って、試合時間中ずっと動きっぱなしのサッカーに興味を持った。これならきっと、ぼんやりする時間もない。
 勉強よりは運動が好き。そんな単純構造。

 今日も寝起きから足に2キロずつ、手首にも2キロずつ、合計8キロのウェイトを巻くことから始まる。
 相変わらず身長の伸びが悪く、成長期に突入すると見込んで買った大きめの制服をダボつかせ、まぁウェイト隠せてちょうどいい。自転車のペダルを漕いで漕いで、三十分弱で到着するのが、県立中央高校。
 駅近住宅街にポツンと建つこの学校、ギリギリ全国大会に出れる野球部とサッカー部がありながらグラウンドがさほど広くなく、練習がまともにできないせいでいがみあいがあったとかなんとかだけど、ここ数年でずいぶん落ち着いたんだとか。


 まだまだシロートの域なのに、初試合は意外と早くやってきた。
 なんと、総体出場を決めるような試合に出されたのだ。
 対戦相手は若月学園高等学校。部活動にめちゃくちゃ力を入れてる学校で、設備がとにかくすごい!
 滑り止めで受験した学校だから行ったことあるけど、外から見るだけでもすごいところだった。
 なにやら部員数もすごいらしく、一度も試合に出れずに高校生活を終える人もいるとか。なんとも厳しい世界……。
 僕はあっさり試合に出してもらえて、今後ずっとベンチ入りさえできないまま卒業を迎えることになっても、もう十分ではないかと思う。


 試合開始ギリギリで、手足のウエイトをビリビリと外す。8キロの呪縛から解き放たっれ、軽くなる身体。素早さ30%アップ。
 どうも相手ベンチから視線を感じるなって思うには思ったけど、あの学校に行った同級生が試合に出てるとは思えないし――たくさんの部員が応援のために並んでいる観客席からなら分かるんだけど。だいたい、高校に入ってサッカーを始めた僕にサッカー関連の知り合いがいるわけがない。
 気にはなるけど……今はこれから始まる試合に集中しないと!

 今日は調子がいい。ボールを奪いに来る相手校の選手をばんばん抜いて、ゴール目前!
 初ゴールもらったぁ!
 確信した瞬間、ボールが奪われ、遠くに蹴り戻された。
 僕を止めるやつがいるなんて!
 調子が良すぎたせいで、止められたことに腹が立つ。
 若月学園、背番号8……3年生かな、と思った。でもそんなに体格は良くないどころか、僕よりちょっと身長が高い程度。
 彼がこちらを向いて、ニヤリと笑う。見覚えのある、誰かに似た面影だった。

「久しぶりだね、大志くん」

 記憶にある彼より低い声で、間違いなく僕の名を呼ばれたことで、確信に変わった。
 突然いなくなって以来、連絡もくれず、どこにいるのかさえ分からなくなっていた幼馴染み――

「まさか……蓮くん!?」

 近所に住んでいた同級生。創くんの弟、青木蓮(あおき れん)。

「根っからの野球少年だと思ってたから、こんなところで再会できるなんて驚きだよ」
「あれは、姉の押しつけだよ!」

 まだ試合中だ。のんびり立ち話をしているわけにはいかないので、ボールを追って駆ける。

「そうだな、子供の頃もオレたちはサッカーして遊びたかったのに、お前の姉の威圧は殺人級だった」
「今でも健在だよ、その威圧」
「ハハッ、思い出したくないな」
「創くんも、サッカーやってたんだよ」
「……知ってる、テレビで見たから。すげーな、国立って。オレも中学から若月でサッカーやってたけど、歳の離れ具合から試合で一緒になることは叶わなかったけど……大志に会えて嬉しいぜ!」
「どっちが先に武道館に行けるか、競争だね!」
「望むところだ!!」

 僕たちはボールを奪い合いながら、再会を喜んだ。
 外野席のチアと応援団。
 吹奏楽部のアメリカンシンフォニー。
 同点で迎えた9回の裏、ツーアウト満塁という状況でバッターボックスは僕。
 今日はいける!
 自信は確信へ――!!

 人生初めての、試合で満塁ホームラン!!






「――って夢を授業中に見たのだ」

 珍しくはっきりと覚えていた夢のことを、ちょっと盛りつつ話し終えたところで……聞き手の天空さん、お姉ちゃん、創くんが呆れた表情でため息をついた。

「サッカーの話じゃなかった? 途中から野球になってなかった?」
「アメリカンシンフォニーじゃなくて、アフリカンシンフォニーだから!」
「……もう帰っていい?」

 と、創くんが立ち上がる。

「でも、もしかしたら蓮くん、若月に……」
「夢の話でしょ? 連絡先もわかんないし確認のしようもないし……そもそも探してない」

 とは口で言ってても、少し悲しげな表情だった。まぁ確かにそうではあるのだけど……。
 何も言えなくなってしまい、帰っていく創くんを見送ることしかできなかった。
 天空さんとお姉ちゃんは――

 ガン☆

 頭を押さえつけられてテーブルに額をぶつけた。

「つまんない夢の話ごときであたしを呼び出さないでくれる? そんなにヒマじゃないんだけどぉぉぉぉおお?」

 姉、かなりお怒りで、

「まぁまぁ伊吹、大志くんだからそんなもんだよ」

 と、なんかフォローにならないフォローをしてくれる天空さん。

「しかも授業中に居眠りとかどういうこと? 授業料払ってんだから、授業ぐらいちゃんと聞けよ! だから成績がいつもいつも!! 高校は義務教育じゃないから、できないやつは留年するんだよ! そもそも、なんでそんな成績のくせに中央受けて受かってるんだよ、八百長か?」

 もう暴れる寸前なので、天空さんが羽交い絞めにしているレベル。まっとうなことを言われてるのはわかるけど、ねぇ、仕方ないよ、僕こういうタイプだから。




 そして、僕が二年生になった頃、とある試合の若月学園メンバーに「青木蓮」の名前があり、あのとき夢の話をした三人はたいそう驚いていた。

「まさかホントに……!?」
「学校まではあってたわね。しかし、偉いわあの子。あたしとの約束忘れてなかったのね」
「……まだ野球やってたのか。俺には悪夢とかトラウマでしかないのに」
「何か言った?」
「……いやなんも」

 蓮くんは、まだ野球をやっていて、若月学園ナインとして、活躍中だ!
 僕も野球部だったら、もしかしたら試合で対戦できたかもね。


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  15☆つばさ


 それは、マンガで見るような甘いだけのものではなく、想像していたものとは全然違った。
 不安で怖くて、痛くて恥ずかしくて、やさしく触れる指先。
 自分の身体のこともちゃんと分かってなくて、ただあなたにすべてを任せた。
 繋がった瞬間、泣いてしまってあなたを困らせてしまったけど、言葉にできないぐらいとても、とても幸せで……だから泣いたんだよ。

 特別な夜は更けていく。



 ――カシャ。

 携帯のシャッター音で目が覚める。

「なぁに?」
「あ、やべ」

 隣にいる創くんが慌てて携帯を閉じ、隠した。
 なんとなく、察しはつく。

「寝顔撮ったの? やめてよぅ、消して」

 寝る前に寝間着はちゃんと着たので裸を押さえられたという訳ではないので少しは気が楽ではあるけど、自分の寝顔は……あまり想像したくはない。それを撮るだなんてもってのほか。

「消すのはもったいないから、保存しとく」
「もったいないってなんだよぅ……」
「自分しか見ないから」
「当たり前です!」
「じゃ、いいね」
「よくなぃ」
「消すなんてもったいない……」
「もったいなくない」
「だって、毎日見れる訳じゃないし……」
「見られてたまるか! 恥ずかしい」
「あ、伊吹が撮った俺の寝顔盗撮写真持ってたじゃん!」
「あれはあれだよぅ……」

 私が撮ったんじゃなくて、伊吹が送りつけてきただけだもん。
 どちらも譲らずループ。これを人は平行線というのか。
 多少ぼんやり気味だった頭がようやく通常営業をし始めた。
 普段、朝はゆっくり寝たりすることはないのに、時計を見ると十時を過ぎていて驚いた。
 時間的に朝食には遅いし昼食にはまだ早いという微妙な時間なので、軽め朝食を取って、昼ごはんの支度をして、洗濯を手伝って……自宅とあまり変わらないことをしていた。どうもじっとしているのはダメみたい。ヒマすぎて布団まで勝手に干してしまう始末。
 あ、箱が……。
 拾おうとしたら、創くんがスライディングをして蹴っ飛ばし、箱が飛んで行った。素早く拾って机の引き出しに入れ、閉める。その背中から感じる、何とも言えない気まずさは一体……うん、なんとなく察しはつくよ。だから追及はしません。


 お昼ごはんは炊きたてごはんでおにぎりを作り、そうめんをゆでた。
 どちらも作りすぎなのでは? と思うほど大量に作ったけど、あっという間に創くんのお腹に吸い込まれていった。食べ盛りの男子高校生の胃袋、ブラックホール。

「夕方から祭り、行く?」
「うん、行きたい~」
「自転車だけど大丈夫?」

 市の端っこに位置する現在地、利用者が少ないせいかバスの便が非常に悪く、日に往復8便、最終便の駅発車時刻が19時半なのだ。
 行くなら自転車しか選択肢はないようなもの。昨日の今日でさすがにお父さんに車出してなんて頼めない。ちょっとどういう顔で家に帰ればいいかわかんないし。

「うん、大丈夫だよ。楽しみだね~」

 あまり二人で出かけることなんてないから、すごく楽しみになってきた。
 16時過ぎにはこっちを出て、駅近くの大型商業施設で時間をつぶしつつ、出店の営業が始まる頃に飲んだり食べたりしながらちょっとブラブラして、20時に花火を見て帰る、という計画。

「そういえば、創君の学校の試合、今日じゃなかった?」

 高校野球のこと。伊吹が試合見ろって言ってたし、朝も開始時間のお知らせをわざわざ入れてくれた。
 昨日のメールの段階で感想文も書いてよこしなさいとも書いてあったし、もし見なかったら……私ではなく創くんに八つ当たりするんだろうと予測。
 創くんはあからさまにイヤな顔をしていたけど、しぶしぶといった感じで、テレビをつけてくれた。
 地元の、しかも彼氏が通ってる高校の名前が出てるだけで、全然分からないし、知らない人ばかりなのに嬉しくなるのはなぜだろう。
 創くんはいつも顔を合わせていることもあり……なんて険しい顔を!

「――チッ」

 舌打ちまでしてる。何があった!?
 ベンチに伊吹の姿を見つけ、変にテンションが上がってしまった。

「伊吹、選手と一緒の所にいるの? すごい!」

 鳴りやまない爆竹のようないつもの威勢はなく、選手に声を掛けたり、視線を落としておとなしく何かを記録している姿がちらちら映る。

「録画しといた方がよかったかな?」
「……いらねぇよ。帰って来たらDVDに焼いて配ってくるだろ」
「伊吹のカレシさん、ピッチャーの人だよね?」
「キャプテンでしょ? ピッチャーだかキャッチャーだか知らないけど……」
「1番は、高木さん?」
「……」

 創くんの声音がどんどん低く小さくなり、ついには黙ってそっぽ向いてしまった。
 機嫌、悪くなっちゃった?

『――県中央の高木、一回の表を三者凡退で抑えました!』

 ……よほどお嫌いなのかしら。

「だー! 高校野球なんざ見てたって面白くもなんともないわ! むしろ不愉快だ!」

 テレビをリモコンで切って投げた後、突然立ち上がり、私に向かって迫ってくる!?
 肩に担ぎあげられ、廊下を階段を、創くんの部屋で降ろされて、そのままお腹のあたりに頭をうずめるようにして腰に手を回してきた。

「え? なに?」
「何もクソもあるか……せっかく一緒にいるのに、伊吹と高木見てたって面白くねぇわ」

 うーん、不愉快だったんだね、ごめんね。


 出発の16時まで……ちょっとあまあまでえちえちな時間を過ごしてしまった。

 布団は干しているので床に押し倒されてしまい、逃げられないし距離が近い。
 真剣なまなざしを向けられると、ドキドキして雰囲気に流されてしまいそう。だけど、明るい時間だと恥ずかしさが勝ってしまい、

「恥ずかしいよぅ」

 と、顔を背けてやんわりお断りしたかったのだけど、

「次、いつこうやって一緒に過ごせるか分からないんだから、ダメ」

 って……断る理由を封じられてしまった。
 確かにその通りだった。創くんは学校がある時でも帰りは遅いことが多いし、休みの日でも部活があったり試合があったり。
 違う学校に通い登下校の時間も合わない、家の距離、父の帰宅や在宅時間とかなんとかで、今までにそんな時間が取れるタイミングなんてなかった。
 それこそ、創くんのお父さんの社員旅行、部活の休み、夏祭りがたまたま合っただけ。来年は合うとは限らない。
 そんな状況で、次なんてあるの?
 胸がギュッと痛くなった。
 こんなに幸せな時間を過ごしてしまったら、後で辛くならない? もっと一緒にいたいってわがままで困らせてしまいそう。
 でも、だけど?
 今は今しかないの。後で後悔だけはしたくないよね。
 恥ずかしいけど、創くんに手を伸ばしてそっと背に回した。


 出掛ける支度をしながら、鏡ごしの私は困っていた。
 毛先をいじっても、変な方向に曲がってしまった髪が戻らない。
 普段は寝癖にはあまり困らないけれど、もにょもにょ……。
 結べばどうにかごまかせそうなので、ハーフアップくるりんぱを慣れた手つきで作り上げた。

「髪、結んでいくの?」
「うん、ヘアアイロン持ってこなかったから、寝癖直りそうにないからごまかすー。ヘンじゃない?」
「大丈夫だよ」

 うーん、男子目線の大丈夫は女子的な大丈夫とは違う気がする。ちょっと不安にも思うけど、もはや考えすぎても仕方ない。一度自宅に着替えなどの荷物は置いていこうと思っていたけど、お出かけ準備の追加までしていたら時間が掛かってしまうので、そこは諦めることにしよう。
 創くんは、半袖だとグローブの日焼けが恥ずかしいと言いながら、薄手の長袖パーカーを羽織ってはいたけど、すぐに袖を捲って日焼け露出。
 それは長袖である必要があるのでしょうか?
 私のそんな視線に気付いてか、捲った袖を一度戻したものの暑いらしく、隠すことを諦めて脱いでいた。

「何で着たの?」
「……うっさい」

 恥ずかしそうに小さく口ごもった。

 日は多少傾いてはいる時間だけどまだまだ日差しは強く、玄関を出て西寄りの太陽と対面した瞬間、額から汗がにじみ出た。

「あっつぅ」

 一瞬で身体も汗でベッタリだ。
 いつもの分岐点にあるコンビニで別れて、私は一度家に荷物を置きに行った。玄関を開けるとムッとした空気が漂っている。車もなかったし、お父さんはいないみたいで少し安心してしまった。
 荷物に入ってる洗濯物は後で仕分けるとして部屋の隅に置き、姿見で頭からつま先までざっと確認。
 うん、オッケー。髪も何とかごまかせてる。
 創くんがコンビニで待ってるから早く行かなきゃ。
 履き慣れない少し背伸びしたサンダルで、来た道をコンビニまで戻った。


 祭りがある駅方面に近くなるにつれ、祭りへ行くと思われる人の姿が多くなる。
 時間がまだ早いこともあり、私たちのように大型商業施設に入っていく人もいたり、駅も待ち合わせで人が多かった。
 時間つぶしに入った商業施設であっちこっち見て回っていると、まだ祭りにも行っていないというのに足が悲鳴を上げかけていた。
 変に力が入ってるのか親指の付け根が痛い。かかともサンダルのストラップで摩擦したかのような痛み。嬉しくてはしゃぎすぎたのかな、慣れない靴で歩き回るものじゃない。
 どこか座りたい。もうサンダル脱いでしまいたい。オシャレすることは悪くないけど、自分に合ったものであることも大事だった。

「――――?」
「え?」

 足の痛みに気を取られ、創くんが何を言ったのか聞いていなかった。

「いや、そろそろ出店見て回ろうかなって……どうしたの? 大丈夫?」
「大丈夫だよぅ。うんうん、お店見て回ろう!」

 怪しまれてしまったので、心配かけないよう普段通りに装う。でも頭の中は、足の疲労と痛みでいっぱいだった。
 これでは楽しめないよぅ、と少し悲しくなってしまうけど。

 フライドポテト、からあげ、たい焼き、かき氷、わたあめ、焼鳥、点滴袋のジュース。
 おなかすいてるからいろいろ食べたいけど、全部買っちゃうと高くついちゃうので、飲み物は近くの自動販売機で購入し、別々の食べ物をシェアして食べた。
 このからあげは……胸肉だ。

 途中で当然のように学校の友達に会い、

「えー、カレシいたのー? 羨ましいんですけどー!」
「滅びろーくそぉー!!」

 と私の友人には羨ましがられ、恨まれ。
 一方、創くんの高校の先輩とおぼしき人が現れたときは、壁際に押し隠されてしまった。

「先輩、こんばんは!」
「おー青木、つきあえよー」
「いや、今日は中学時代の友人と来てるのですみません」
「ナンパ行こうぜ! 彼女作ろうぜ! 夏休み楽しみたいだろう?」
「ナンパだなんて、自分にはまだ早いですよーアハハハ」

 うーん、紹介できない彼女なのかな? ちょっと悲しい。

「すまない、俺があとあととばっちりでひどい目に遭う」

 んだそうで、部活の先輩だったみたい。
 食べている間は座っているからまだいいけど、足の疲労と痛みはかなり蓄積され、追加で小指も痛くなっていた。

「――――?」

 ため息をついて、ふと我に返る。
 今、話しかけられてた?
 創くんの顔を見ると、心配そうにこちらを見ていた。

「ホント大丈夫? さっきからちょいちょい元気ないっていうか、上の空? 具合悪い? それとも機嫌が悪い?」
「違うの、そうじゃなくて……」

 隠していても自分がつらくなるだけだし、こんなに心配かけてしまうほど明らかに私の態度はよくないみたいだから、もう正直に話すことにした。

「慣れないサンダルで歩き回ってたから、足が痛くて……」

 創くんは黙って私を肩に担いで歩き出した。
 いつもより頭一つ分以上高い景色が後ろ向きに流れる。後ろを歩く人たちと目が合い、クスっとされては目を逸らされる。
 ある意味注目の的になっている。これはこれで……

「ちょ、恥ずかしいこれ……」
「少しガマンしなさい。足痛いんだろ? 歩きたいの?」

 そう言われると、もうできれば歩きたくないという気持ちの方が大きいので、黙って担がれることにした。頭は下げて人と目が合わないようにして。
 人ごみから出るよう、屋台が並ぶ歩行者天国になっている道から横にそれて、線路沿いの公園まで来るとようやく降ろされてベンチに座らされる。
 まだ祭りが始まったばかりなのと、会場から少し離れているためか、たまに人は通るけど留まる人はいなかった。

「絆創膏いる?」

 足を確認すると、両足とも摩擦でかかとと小指の皮がむけていて、血は出てないものの思っていたよりひどい状態だった。
 創くんは財布を探り、絆創膏を出してきた。

「準備良すぎでしょ?」

 と少し自慢げなご様子。私の足の状態を確認しつつ小指に1枚、かかとには2枚、キズを覆うように絆創膏を貼ってくれた。

「部活でマメできたり潰れたりとかあるから、たまたま持ってただけだよ」
「うう、女子力高い……」
「いや俺、男なんですけど」

 男子力?
 絆創膏を貼ってくれただけでなく、そのまま足のマッサージまでしてくれた。迷惑かけちゃったのに優しすぎて涙が出そう。
 私、看護師になろうと思ってるのに、創くんの方がそういうのに向いてるんじゃないかな? 女子力も気遣いも空回り。
 結局、祭りを楽しむことはできなかったけど、公園で話しをしながら足を休めて遅くならないうちに帰路に就いた。

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そういえば昔、椿瀬誠ってヘンなネット小説書きがいたよな……。
アイツ、もう何年もサイト更新してないけど、もうやめたのかな?

――ゲームにハマって書かなくなっただけでした!

最近、ようやく創作意欲が湧いてきたような気がしてきたので、少しづつ書いております。
サイトの方は、以前は窓XPで更新作業しておりましたが、サポートも切れちゃったし、Wi-Fiじゃないし、LANケーブルどこ? セキュリティもアレで繋ぐと危ないし、そもそもヒンジ折れててめんどいし重いししばらく起動もしてないし、という言い訳により、窓7で運よくソフトが起動したのでそれでの更新しようと思いつつも激遅マシンすぎて、無理やりハッピーホイール動かしたら死にましたwww
それもけっこう前の話です。

なので、このブログにてちょいちょい駄文を垂れ流していこうと思ってます。
もうすでにちょいちょいあるにはありますが。
誤字脱字もあります。そのうち修正したいです。

ということで現在、

義ママ 番外編 「そうつば(仮)」
(リンクの貼り方がよくわからんので、カテゴリからどぞw)

がちょろりちょろりUPされてるでしょうか?
他にも並行で書いてるというか、ほったらかしてたものとかあるので、ちょこちょこUPしていこうと思っております。

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え? もう2月の半分は終わってるだと!?

去年は何か書く書く詐欺でしたが、今年の目標も、何か書く(詐欺)です。
まずはPCを開いて、Wordを立ち上げることから……。
何かの続き書こうと思わなかったわけではないんだけど、開いて、1文字も打たずにそっと閉じたのも何度か。

ゲームは落ち着いてきたというか、めんどくてやらなくなってきた感じで。
戻るなら今がチャンス! とも思ったり思わなかったり。
まぁ、ネタが降ってくるのを待つだけ……あれ? なんか思いついてた面白げなネタを逃がしたような……?
年末年始頃?
なんのネタだったかな?
思い出すとこから始めましょう。
ネタメモあるかなぁ?

といった感じで、絶賛創作意欲が湧かず、何年経ったでしょうか。
たまにブログぐらい書きにきます。

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毎度おなじみのちり紙交換です。

昭和か。


ぼんやりしていたら、10月も半ばになろうかというところでございます。
前回のブログネタなんだったかな、と読み返してみましたが、年内にどうのこうのという寝言は、寝言です。
振っても叩いても殴っても何も出てきそうにありません。

昔よく聞いてたCD引っ張り出して、PC経由でiPodに入れて聞いているところです。
過去の記憶が蘇ります(創作のネタ
たいがい、作品にならんかった、設定があれでこれで膨大すぎたやつとかです。
こればかりは小出しのしようもなく、どうしようもありません。
シリーズものは解体しにくいからよくない。
続き書きたい病もずるずる続けてしまって、よくはなかったと思うけど。
創作(パクリの集合体ともいう)始めたころからの悪い癖です。
それにしても、作品のなりたちがパクリの集合住宅とか、たち悪いっすね(爆

Web拍手、ちらりんこしてきました。
どこから押されてるのでしょうか?
さっぱり見当もつきませんが、ほんとうにありがとうございます。
全く、励みにも意欲にも変換できていない辺り、大変申し訳なく思います。

ちょっとPCの動きが……遅い。
止まる(ネットブラウザ)
エクセルも止まったか。
日中は16Mぐらい出るのよ、ネットの速度。これいい方。
夕方以降1M切れますから。オンゲーやってらんないですよ。
らぐいらぐいと文句ばかりです。
自分は困ってないんでどうでもいいす。(ひどい

で、MMORPGですよ。
前回あたりはパワモバ最高! の状態だったと思われます。
今は、V4最高! です。
ぼっちでオート放置プレイできるとか、最高すぎます!
パワモバはぼっちにはつらいことがおおございました。
結婚システムからはじまり、3人以上のパテでダンジョンとかとかとか。
ぼっちでできることが限られすぎてた。ザコ狩りもできんし。するだけ無駄な。
サブ垢も放置しました。
伴侶とサブ2でマスターが脱退したギルド管理してましたが、それも解散して、やることなくなったんですね。
最初は、前いたギルドに置かせてもらおうかと思ってたんだけど、育ちも悪いし、別にやんなくてもいいかなーってなってね。
今日も朝っぱらから、ギルドクエストとわらしべをアイテム使って即クリア、伴侶と自分の畑いじくって、釣りしてログアウトですよ。
避けてたディスコードも登録したのにね。
やる気はなくなる一方です。
ダンジョン長いし。
マッチングにも時間掛かるし。
拘束時間が長い。(いつも思ってる
もう今週はリーグ出ないポチしといた。
領土は、まぁ、出れそうなら。
この前の領土、ご飯タイムで放置になってしまったからなぁ。
相手さんガチで来てたっぽいけど。こわwww

V4はいいですよ。
これ書いてるどころか、パワモバちらっとやった後……6時台からずっと放置プレイですよ。
ギルドも静かなところだから、ひたすら放置してるだけ。
PC触る余裕が今日はありました(iPodに曲入れたついででしょ
そんな暇ができたなら、なんかやれよー。
うんー、頭がついていかないんだよ。
むしろ、暇でぼんやりしてしまって。

買い物行こう。

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PCを触る用事のついでに、お久しぶりの更新です。
おかげさまで、ストックがこれにてなくなりました。
わー、どうしましょーw

まだ書いてないネタとかもないわけではないんだけども、頭の中にもやっとしたものがある程度なので、ゲームやめないと書けそうにない……

ゲームなんてやめてしまえ!!!

……まぁ、創作どっぷりやってるときはゲームなんてほぼやってなかったというか、そんな時間がもったいないぐらい創作が楽しいことは良く知ってる。
でももうその楽しさを忘れてる。
つい気軽に楽しめるゲームに行ってしまうのです。

最近はスマホゲーのパーフェクトワールドM、通称パワモバですね、あればっかやってて放置ゲーがまた増えたところです。
3鯖羽民にてへっぽこ魔道士やっておりまし。
人とかかわるとだいたいなんかやらかすので、ギルドに所属しつつ野良でやっておりやす。
そろそろサブがめんどくなってきた頃で、パワモバ以外のことに時間を割り当てることができるようになってきた。
パワモバ全振りだったから。
アホなんですね。熱中するとこんなんだから困る。


目標……ストックなくなったから、年内に何かしら書く。


サイトは動く気配なし。
いじくる気になって、そういうソフト買うことから始めねばならんので……というか、まだ窓8.1使ってるのもどうなんだかと思わなくもない。
しばらく? 今後? ブログでやっていく。思い出した頃に(いつだよwww


なんか相変わらずWeb拍手も入ってるようで、ほんとどこで押してるんだかよくわかんないんですけど、ありがとうございます。
コメないからわかんないんだけどね。
でも……ぱっと確認しただけだが、増えてねぇか!??

まさかw

そんなわけない。乱視が重症化してるだけだ!

だけど、ありがとうございます。
早く脱ゲームできるよう頑張ります???(ウソだな

拍手[0回]


  14★そう


 ――四日前。
 部活帰り。普段は行かない通学路を少し外れたところにあるドラッグストアにて、怪しく店内を見回す男子高校生。別に万引きしようというのではないので捕まえないでください。
 それがどの売り場に該当するのか謎なので、陳列棚一列ずつ見て回っていると、自分には全く関係がないベビー用品の向かい側に目的のブツを発見。確かにベビーの関連だ、奥が深い陳列マジック。無事に見つけたことで辺りを少し見回し警戒態勢。よし、誰もいない。
 さてと……どれがナニでなにが何だ?
 なぜか品ぞろえがいいのかこれがデフォルトなのか分からないが、幅1メートル、高さ150センチほどの棚の三分の一もその商品があるんですけど。しかも視線のちょっと下あたりでずらりときれいに陳列されている。一箱でも抜けたら目立ちそう。
 値段も千円でお釣りがくるものからオーバーするものまで。とにかく薄さを強調したような数字が入ったものが目立つ。
 どこを重視して選べばいいのかなんて当然知るわけがなく、結局その日は手に取り損ね、買う予定になかった掃除用品と菓子とジュースを持ってレジを通過したいくじなし。
 また明日あのコーナーをうろうろして買いそびれて、明後日また店内うろついて挙動不審なことしたらさすがに声掛けられそうな気がするので、一日あけるとしよう。一回休み。

 ちょっと、意識しすぎだろうか。
 いや、あれだけのこと言って丸腰というわけには。もしかしたら困るでしょう。
 それにいつかは通る道だと思うし……。
 とにかく自分が一番信用できない。
 と、頭の中はごちゃごちゃ。
 今日みたいに、いくじなしなら心配はしやしないんだけど。
 お互いたまに、とんでも行動しちゃうから。
 土曜、羽山がうちに泊まりに来るなら、それなりの覚悟をしてくるということ。だから俺も、それなりに覚悟をしておかなければならない。
 来ないなら来ないでそれも仕方ない。あんな言い方したんだから構えて当然。
 右も左も分からないくせに、よくそこまで言った、あとは知らんぞ。どうにでもなれ? なんとかなるさ。
 ごちゃごちゃごちゃ……。
 帰宅後、掃除をしつつもごちゃごちゃ考えてしまった。
 さて、あれはどうやって買うべきかな。もう、勢いしかあるまい。いや、種類が、どれを、ぐおお!!
 ああ、布団が、ほこりがすごい、叩いても叩いてもキリがない!!
 これ……いつまで叩いたらいい?
 ご近所さんごめんなさい、バンバン音立てて。家が建ち並ぶ団地で、布団を叩く音がこだまする、主婦がくつろぐお昼のワイドショータイム。



 ――三日前。
 午前中、野球部が最後の追い込みみたいな感じで練習しているのを横目にトレーニングをしていたサッカー部。ゆっくり休むとか出発前準備だとかで野球部が午前いっぱいで部活を切り上げたので、急きょ午後から練習になった。
 学校近くのコンビニで昼食を調達し、体育館裏の涼しいところで食べて、試合以来初の本格的な部活動だ。
 羽山と遊ぶ約束してなくて良かった。
 全面練習ということで、後半は試合形式。現レギュラー陣VSそれ以外軍団。
 当然俺はそれ以外軍団のキーパーで、現レギュラーに攻め込まれるわ攻め込まれるわ、ひどい有様だった。

「――先輩、がら空き、あー違うって、あっち!!」

 なんて大袈裟な手振りで一年な俺の指示がそうそう通るわけもなく、がら空きになってるMFにパスが通り、ゴールネットが揺れるところだが、どうにかキャッチ。がら空きだったからこそ見えたパスからのボレー。
 それ以外軍団、どうもボール持ってる敵FW追いかけすぎ。どうにかボールを奪おうとしているのは分かるけど、テクニックが足りてない。
 と、偉そうな分析はしているけど、俺がDFに戻ったところであれをどうにかできる気はしない。
 そして試合終了。結果は0-0。
 どうにか得点は許さなかったが、ボール支配率やシュート本数が……ひどい。
 現レギュキーパーなんかもう、試合途中からゴール前に寝そべるというぐらいの態度でしたよ。
 もう……今日の練習、全面じゃなくて半面でもできたんじゃね? ってぐらいだった。そのぐらいひどい有様ですよ。
 これじゃ、来年度は大会優勝……県代表は無理かな……。現レギュラーのいないチームが最弱すぎた、俺も含め。

「動き、良くなったんじゃないのあおちゃん」

 とレギュラーズFWの山野先輩に声を掛けられ、頭の上にクエスチョンマークが数個出てくる。

「挫折したくなるぐらい容赦なくゴールに叩き込んでやろうと思ってたのに、全部止められるとは思わなかった。シュート打ったのはオレだけじゃないけど」
「あ、はい。ありがとうございます」
「問題はあいつらだな」

 と、すでに罰ゲームが始まっている中央部。レギュラーズの罵声を浴びながら、試合に出ていたそれ以外ーズが腕立てをしていた。

「次、ふっきーん!」

 やけっぽい返事をして次は腹筋。
 俺も負けたチームなので、罰ゲームに参加しなければいけないはず、と思ってそっちへ行こうとしたのだが、山野先輩に呼び止められた。

「お前はいいよ。かわりに、PK地獄だから」

 地獄……もはや嫌な予感通り越した。

「同点で試合終了してるから、本来なら延長もやって、それでも決まらなければPKだ。試合ではタイミングが合わずうまくボールが入らなかったり、味方が妨害したりで運よく得点にならなかった。しかしPKは一対一」

 言いたいことはなんとなく分かる。これは罰ゲームというよりは、試合の延長って感じでもあるし、俺の実力を試されるということ。
 障害のない万全の状態から、ゴールだけを狙って打たれるボールをどこまで読んで、どう動くか。
 読みすぎるとだめ、一瞬の判断の遅れやミスは命取り。
 野生のカンか、それはひどいな。
 置いたボールから左右どっちかに下がるやつは利き足がどっちか分かりやすい。
 山野先輩は……こちらから見てボールより右後ろに下がっている。利き足は右だ。
 力みすぎてボールが浮いてゴールをそれたら儲けもん。
 PKはボールが取れなくても、ゴールにはいらなければいい。こぼれ球を叩き込まれる心配も、敵味方が突っ込んでくる心配もない。
 助走をつけ、ボールが蹴られる。体の向きはほぼ正面。蹴り損ねでもない限り左に入ることはない、右だ!
 ボールが通るであろう予想軌道に手を、違う、低い、足だ!
 とっさに足を伸ばす。
 何がどうなったかよくわからない恰好で、地面に落ちる。
 ボールは、どうにか足にかすったものの、ゴールネット内。

「はい、もう一回」

 止めれなかったから笑顔だよこの人、なんかムカツク!
 ボールを先輩に戻し、ゴール真ん中に構える。

「お願いします!」

 結局、読み違いが多くてどっかんどっかんゴールに叩き込まれた。
 さすがに50回中5本しか止めれないとか役に立たなさすぎる。絶望。

「そんなに落ち込むなよ八割はボール触ってたじゃん」
「取れなきゃ意味ないでしょ」
「PKで全部取るキーパーなんて恐ろしいわ」
「まぁ、見たことはない、ですけど……」

 そんな感じで、俺の罰ゲームも終わった。
 今日は予定外の部活延長で疲れてしまった。
 夕飯と朝食を買ったら帰って横になっとこう。



 ふと目覚めたら外は真っ暗、夜中だった。



 ――二日前。
 伊吹ら中央高校野球部が甲子園へ向かう日。
 前日の午後練は日差しがキツかったので、午前の練習。今日も当然全面。
 昨日に引き続き、試合形式の練習だった。
 今日の対決はバランスよく、レギュラーではない部員を半分にして、足りない分はレギュラーが交代しながら入るという構成。
 ボールの回し方がどうもヘタクソで、なかなかどちらのゴールにもシュートを打ち込まれることなく前半終了。
 やはりこのチーム構成での練習不足のせいか? 我が部の得点王がいるチームであってもなかなかゴールにまでたどり着かない。
 これ、現レギュラー三年が引退したら、大変なことになるだろうな。としか思えない。俺もキーパーはじめてまだ四ヶ月だし。来年、キーパー入ってきたらフィールドプレイヤーに戻してもらおう、そうしよう。俺にはこのポジション合わない、きっと。
 ふと気付けば目の前で繰り広げられているボール争奪戦。そして、
 ――ボールがまっすぐ、顔面に向かって飛んできてる。

「……っぶね」

 思わず避けた。ということは?

「誰が避けろっつったぁあああ!! 顔面で受けてでも止めろ!!」

 はい、相手チームに点が入りました、すみません。
 でも顔面はいくらなんでも無理。

 その一点のせいで俺の属するチームBは負けまして、罰ゲームは恐怖のPK地獄。
 ゴールへ打ち込まれるボールの勢いからはすごい殺気を感じた。
 今回のはホントに俺が悪い。油断しまくってた、他のこと考えてた。
 そして、ゴールに入ったボールの数だけ、ゴールポスト懸垂。
 めちゃくちゃムキムキになっちゃう……。その前に明日は肩回りと腕が筋肉痛かもしれない。


「お疲れ様でしたー」

 練習が終わり、一年が上級生を部室から送り出す。
 部室はスプレー鎮痛消炎剤臭い。犯人は俺、先輩に脱がされてぶっかけられた。
 一年は部室をざっと掃き掃除をしてから帰る。

「おつかれー」
「また明日なー」

 一年も自転車置き場にて解散。自転車に乗ってると、鎮痛剤のスースーする感じが目に染みる。
 昼飯何にしよう、ざるそばがいいな今日は……。
 あと、何か……何か重要なものを忘れて……。

「あ」

 疲れすぎててうっかり忘れるとこだった。
 もう、今日か明日かしかないのに。今日避けたら明日しかない。ならば明日の俺の為に今日こそ!
 と、通学路から外れて二日前にも来たドラッグストアへ。


 店から出て来た俺は、濃い色の紙袋を持っている。
 店内で挙動不審になること十分ぐらい。店員に捕まることも声掛けされることもなく購入には成功した。
 俺は大人になったぞ! 気分だけな。
 けど、二度と来れないこの店!!

 逃げるように自転車を漕ぎだす。いつもの通学路へ戻り、いざ帰宅。
 コンビニでざるそば買おうと思って寄ったらすでに弁当らしきものが売り切れており、仕方なくここから一番近いスーパーまで来た道を戻った。
 お惣菜コーナは3割引き、半額のシールがついていて何だかお買い得? たまには違ったものを食べれるし、スーパーもいいかな。



 ――当日。

「いってらっしゃい」

 朝、もう出ると声を掛けられたので、あくびをしつつ階段を降り、社員旅行へ行く父を玄関でお見送り。
 すでにいい時間なのでそのまま朝食から部活の準備。飲み物は……行く途中でコンビニに寄って2リットルのスポドリを買う。

 夏の高校野球は本日、甲子園で開会式?
 この日も午前活動、試合形式。
 俺はとにかくゴールの前。
 ああ、走ってボール追いたい。敵ゴール近くに行かれるとものすごくヒマというか、それでもここから離れてボール触りにいく訳にもいかないし、なんだろうねこれ。
 肩や腕は微妙に筋肉痛。動かすと痛むがイヤな痛みではない。痛気持ちいいというか、いや、マゾじゃなくて。

「グローブ焼けが……」

 休憩中、日陰でグローブを外した手を見つめる。
 左右対称にグローブをしているところだけ白い。だけならまだいいんだが、半そでで練習しているせいで腕から手首付近までが焼けているという不思議カラー。
 まぁ、野球やってた時よりこれはいいと思わなければ。
 え、いいのか? 露出してる分、涼しいかもしれんが足も変な焼け方してるじゃないか。
 しかし暑くてもインナー長袖にしとくべきだったかと後悔したが、まぁ、電気消しとけば見えないか……。

 ――ガッ!!
 痛い!

 雑念払おうと地面を殴ったが痛かった。
 気が早いぞ俺。まだ部活中なんだから部活に集中しろ! それに突然来られなくなったとかあるかもしれないだろう。過剰な期待は思い通りにならなかったときの絶望に繋がる。


「ボールはキャッチしたらぐっと抱きしめて離さない。こぼしたらぶち込まれるぞ」
「はい」

 休憩が終わると正キーパー直々の個別指導。
 ゴール前に立たされ、ポンポン投げ込まれるボールを一心不乱にキャッチ、またはパンチ、とにかくゴールを守る。

「あと、各方面から突っ込んでくることあるから、身を守るようにこう……」

 まぁ、口で説明するよりやってみろってことで、転がされたボールに飛びついて自分に引き寄せ、体を丸める、感じ。たとえ体ごと蹴っ飛ばされても、ボールだけは!! ぐらいの勢い。
 フィールドプレイヤーに比べたら地味なポジションだな、としか思ってなかったが、練習方法は全然違うし、試合でもそう目立たないけど……フィールドに一人しかいない特殊なポジションだと思ったら何だかカッコイイかなって思えるようになってきた。

「守護神」

 ぼそりと呟く。何と言っても、このゴールキーパーの俗称がたまらんカッコイイ。
 正キーパーとなれば背番号は1。

「青木は守護神というよりザルだな」
「うきー!?」
「そりゃサル。まだまだってこと」

 まぁ、キーパー初心者ですからまだまだですね。
 そして昼で練習は終わり、明日は部活もお休み。ゆっくり休む――カッ!!
 帰ろう、とりあえず。
 今日もスーパーで昼ごはんを調達。しかし、毎日のように行っていたのがあまりコンビニに通わなくなったら店員さんに来なくなったなとか思われるだろうか? 気にしていては毎日同じ弁当になってしまう、ここはローテーションということで、とどうでもいい弁当事情。
 さて、羽山が来るとしたら何時ぐらいだろうか。三時ぐらいか? 夕飯がどうこう言ってたから買い物とかあるかもしれないし。
 コンビニを通り過ぎ、中学校を過ぎる。更に自宅方向へ走っていくと小学校があって……ここで携帯が鳴っていることに気付いて自転車を止めた。電話の相手は羽山だ。さて、来るのか来ないのか……。

「家の場所、分からないんだけど」

 ということは、来るのか……。色々と間が持つか心配なんだけど。

「ああそうだね。今どこ?」
「まだアパートの前だけど」

 ということは、だいたい中間にあたる場所で待ち合わせをすべきだろう。なのでコンビニよりウチ寄りで、

「じゃ、中学校の正門のとこで待ってて、迎えに行くから」

 電話を切って自転車の向きを変え、来た道をまた戻り、羽山を迎えに行った。
 中学校の正門前ですでに待っていた羽山を連れ、少しゆっくりめで走る自宅へ向かう田舎道。いつもは一人だから少し変な気分だ。
 そして走ること十分弱、ようやく自宅まで帰ってきた。
 ドアを開けて羽山の方を向くと……妙に目が輝いていた。

「突撃! おうち拝見」

 そしてすぐ我に返る。
 そんなに楽しみにしてたのか? 変な期待しちゃうよ俺が。

「ちが、いや、一戸建て珍しいというか、ひとんち好きっていうのか、そんな感じで」
「……ウチは住宅展示場じゃないよ」
「ああ、住宅展示場パラダイス!」

 ああなんだ、アパート住まいゆえの一戸建てが珍しくてテンション上がっちゃうタイプか。やたら二階に上がりたがるんだ、そういうタイプ。

 それからどうもぎこちない会話をして、夕飯の買い出しに行って、夕飯作ってもらって……。夕飯にリクエストしたのはカレー。母がいなくなって以来、家で手作りのカレーなんて食べたことがなかったから。
 でも味は、羽山のカレーもおいしいけど、母が作ってくれていたものとは全然違った。作り方は単純で、材料だって変わりないはずなのに、何がその差になったのか全くわからないが、大皿三杯頂きました、ごちそうさまでした。

 羽山が風呂に入っている間、テレビでは甲子園がどうのこうのとやっていた。
 一年目にして念願の甲子園へ行けて、伊吹は感動して泣いているであろう。そういうタイプには見えないヤツだが、高校野球と甲子園は特別な思いがあったみたいだし、マンガの影響で。
 座卓に置いたままの携帯が鳴る。思わず自分のを開いて確認するが、あの着信音は俺のものではない。羽山がココに置いて行った携帯のサブディスプレイが文字を表示している。

 →✉ 桜井伊吹

 ……早速ご報告ってところか。たぶんこれまでに何度も野球を熱く語ったメールが届いたんだろうな、と思うと羽山に申し訳ない気がしてくる。
 羽山が風呂から上がって確認したら、メールに添付されていた写真の伊吹はやはり泣いていたようだ。



 そして、俺は風呂の浴槽に浸かったまま、固まっていた。
 思考はどうも断片的。うまく物事を考えられなくなっている。
 そうだ、まず頭を洗って、身体も洗って……いや、さっき洗ったし、もう何分浸かってるんだっけ?
 ……。
 ああ、着替え持ってくるの忘れた。まぁ、下だけ穿いて探しに行こう。
 …………。
 掃除、してから上がった方が、いやいや、後で入るかも? じゃ、このままでいいか。
 ………………。
 長く入ってる理由はないな、変にどこか(バックグラウンド)で考えすぎててメモリ足りてない。
 上がろう、じゃないとそのうちのぼせる。
 パンツだけは洗面所のタンスにあった。ハーフパンツはさっきまで穿いてたやつ、あとで着替えるけどとりあえず今は仮で。他はいつも干したあとに取り込んだものが山積みになってる中からの発掘。父の部屋の隣の部屋にてんこ盛りだ。
 いつもならダイニング経由でその部屋に行くところだが、今日は父の部屋から回って……いけないだと!?
 なぜ続きの部屋になってるのに襖の所にテレビとか置いて塞いだんだよ! つーか、めちゃくちゃ汚い。俺の部屋より汚い。ビール缶がごろごろ、つまみのごみがあっちこっち。何か変な臭いする。
 不快すぎてすぐ出てドア閉める。
 仕方あるまい、ダイニング経由で……。

「あ……ひゃぁー、あれ?」

 羽山に二度見される。なんとなくその理由が分かってイヤだ。

「服着てるのかと思ったら見事な日焼けですね……」

 一生懸命顔を逸らしつつそんなことを言われる。思った通りだ。

「頑張ってますからね、部活」

 個人的には夏の方が好きなのだが、この想定外のグローブ焼けを見てしまうと早く冬になってほしいと思ってしまうだけに、とてつもなく残念なことだが、この日焼けのせいでとてもプールや海に行く気にはなれない。
 ダイニングと父の部屋の間にある服置き場的な部屋で、山になってる洗濯物から自分のTシャツを探す。できるだけ良さそうなやつ。下も穿き替えねば、ということで、着替えを持って再び洗面所へ戻り、脱いだものは洗濯機へ放り込んだ。


 その後、ダイニングでテレビを見てるだけ。座っている位置の微妙な距離感。
 ゴールデンタイムのバラエティ番組を並んで黙って見てるとかどういうことだろう。
 ……まぁ、先日の海といい昼間のアレといい、俺に寄って来たらだいたいエロいことされるからな、さすがに警戒されてるのか。
 と言って俺から寄っていって体引かれたら落ち込むわ……。
 やっぱ、まだ早いのかな。今日はおとなしくしておくべきなのか? この状況からだと、とてもそういう雰囲気に持って行ける自信がない。
 下手なことして嫌われでもしたら本末転倒。

「アイスでも食べようか」

 いいタイミングで思い出したので、とりあえずは頭冷やそう。
 部屋の室温はぬるい。扇風機の風が当たっているだけ。

「チョコクッキーやストロベリーも好きだけど、やっぱりバニラが一番好きかなー」
「俺はバニラならチョコ入ってるやつかな。チョコ味じゃなくて」

 カップのバニラアイスのおかげで、どうにか会話に繋がった。

「かき氷は何味派?」
「イチゴの練乳掛け」
「王道だね。私、レモンが好きなんだけど、これあたりはずれがあってね……」

 と語りだす。甘めのはちみつレモンっぽい方が好きらしい。ハズレは水っぽいとか……蜜の量が少ないだけじゃないのか?

「じゃ、夏祭り行こう。まだ終わってなかったよな。いつだっけ?」
「今日と明日だよ」
「今日? 言ってくれたら良かったのに……」
「明日でもいいよぅ」

 ドキっとした。
 心臓止まるかと思った。
 口から出るかと思った。

 バラエティ番組は終わり、次は洋画やドラマが始まる時間だ。

「洋画かドラマ、見る?」

 心臓は苦しいぐらいに鼓動が早い。
 羽山は視線を下に向けたまま首を横に振った。

「じゃ……部屋行こうか」

 全身がしびれるような感覚に襲われる。
 羽山はゆっくりと首を縦に振った。

「……うん」

 一瞬、頭の中が真っ白になったがすぐに呼び戻す。
 扇風機を消す、廊下の電気をつけ、ダイニングの電気を消す。階段の電気をつけ、玄関のカギを閉めて、廊下の電気を消し、階段を上がる。部屋の電気をつけて布団を敷き、階段の電気を消して、ドアを閉めた。
 部屋に二人立ったまま、異様な空気。
 これをどう変えるのか、浮かんではこない。
 とりあえずは向き合うことから……。

 参考にと思って体験談をネットで読み漁った。知識は、全くないという訳ではないと思う程度。
 焦りは禁物。大切なものを扱うように、大事に、丁寧に……。
 まずはそういう雰囲気に……。
 抱きしめて、キスをして、彼女の反応をみつつ深く。首筋は期待以上の感度で、必死に声を抑え、身体を震わせている姿がたまらない。
 しかし、しつこくその反応を楽しんでいると、

「もう、やだぁ。電気消してぇ」

 ここで足踏みしてる場合ではなかった。先へ進もう。
 初めて触れた彼女の身体は、柔らかくて……。

「優しくできなかったら、ごめんね」

 ――苦戦と快楽。


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ぼんやりしてたら、4月でした。
新学期です。学校始まりました。
休校措置なし地域です。

とりあえず、そうつば……14話までしかストックありません。
14.5が途中だと思います。
(椿瀬さんとこの「.5」といえば、エロです、ハイ)
というか、一つ目の山を越えたので、ひゃっふー! ってなってから書いてません。
いつ書いたかも思い出せないぐらいずいぶん前に書いたやつなんだが。

そして、久しぶりにPCのキーボード叩くものだから、誤打が多い多いw

そして書くことが……ない!


あつ森やってます。
島整備ばかりしてたら、マイルが4万とかなってます。

ドラクエ10、やってます。
バージョン5が終わりそうです。
サブ2垢はバージョン1すらクリアしてないのに、まもの使いのレベルばかり上がります。
毎日討伐だけはしてるので。
開始からずっと、ひたすらぼっちでソロ充プレイしてます。
ストーリー長いし、サブクエもあるし、飽きが来ない。ありがたい。

明後日にはFF7R出ますね。
楽しみだけど、画面酔いしそうだ……。

バイオRE:3出ましたね。
買ったけど自分はやらないです。むしろ無理ですもう、バイオシリーズは。
初期1、2、3、ベロニカはやってクリアはしてるんだけどね。
ベロニカで苦労して、懲りました。


なーんか世の中大変なことになってますが、早く収束するといいですね。


Web拍手の方も相変わらずなのにありがとうございます。


そのうちサイトのカウンターと、HSDのカウンターがなくなるかと思われますが、どうしようもないので……どうもしませんが、我がサイトに11万以上ものアクセス、ほんとありがとうございます。
どうにかするにしても、どうしようか……。

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プロフィール
HN:
椿瀬誠
HP:
性別:
非公開
職業:
創作屋(リハビリ中)
趣味:
駄文、らくがき、ゲーム
自己紹介:
元々はヘンタイ一次創作野郎です。
絵とか文章とか書きます。
二次もどっぷりはまってしまったときにはやらかします。
なので、(自称)ハイブリッド創作野郎なのです。
しかし近年、スマホMMOにドップリしてしまって創作意欲が湧きません。
ゲームなんかやめてしまえ!

X(ついった)にはよくいますが、ゲーム専用垢になってしまいました。
@M_tsubase

なので、たいっつーもやってます。
たぶん
@tsubase341
こちらは、椿瀬誠名義です。

サイトは、更新する手段がなくなってしまったため、放置になっております。
修正しようがない量なので、あれはなかったことにしてください。
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