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かつてネット小説書いてた人のリハビリ場所
番外編の番外編ってなんだよ。
派生の派生だよ。
タイトルは相変わらずかっこ仮のままです。
そのうちふっと出てくるといいな。
出てこないのは、テーマが定まってないからか。
ただの学園ラブコメ部類ですから。

義理の母は16歳☆番外編3「カノマネ」は東方天空と桜井伊吹のおはなし。
番外3からの派生となる今回の「そうつば(仮)」は、青木創と羽山つばさのおはなし。

あまりにもサイト更新しなさすぎて申し訳ないので、1話分、こちらで晒させていただきます。
サイトでの本公開はまだ予定にはありません。

ちなみに、最近の文章書式でセリフと描写の間に改行があるのは、自分の乱視のせいで読みにくいからです。行間詰まってると読めない。








  1☆つばさ


「そういえば、羽山ってタニジョだったな」

 学校帰り、自宅近くのコンビニ店内で声を掛けられた。県立高校のブレザーを着た男子。ついこの間まで中学の学ランを着てた同級生。

「あ、青木くん」

 ちなみに、『タニジョ』は私――羽山つばさ(はやま つばさ)の通う女子高、『谷川学園女子高等学校』の名前を縮めた通称。制服のブレザーが市内で一番かわいいデザインだと私は思っている。

「久しぶり。学校どう?」
「周りが女子ばっかりだから、久しぶりに男子と話したかも」

 そんなもんなんだ、って青木くんは笑ってた。まぁ、女子高なので周りが女子だらけで当たり前ではあるんだけど。
 中学のとき、青木くんは部活でサッカーをしてたけど、高校でも続けてるのかな?

「まだサッカーやってるの?」
「うん、国立常連だからね。でもスゴイんだよ、グランドがさ……」

 長い時間、店の中で盛り上がるわけにはいかないので、適当に飲み物を買って、店の外に出て話した。高校に入ってからの、互いに知らないこと。

「羽山は、部活とかやってんの」

 私は横に首を振った。

「部活やると家事できなくなっちゃうから入ってないの」

 私は会社員のお父さんと二人暮らし。だから、平日は私が家事をやって、お父さんの仕事が休みの日は二人で分担してやっている。中学生のときから……おばあちゃんが亡くなったから、お母さんを小さい頃に亡くしてるから。
 だから部活には所属せず、勉強も家事も両立させようと頑張っていた。

「青木くんも大変じゃない?」

 部活してたら、家事なんてできないんじゃないかなって思った。彼もまた、父親と二人暮らしだった。中学の頃から、両親の離婚で。
 私たちの共通点は片親で、父子家庭であること。

「平日は部活でけっこう遅くなるから、一週間分まとめて土日にやるんだ、洗濯とか掃除。食事は惣菜とかラーメンが多いけど」

 米は炊ける! と自慢げに言っててなんだかおかしかった。

「ま、環境変わって大変だけど、がんばれよ」
「青木くんも、がんばってね」

 コンビニが帰り道の分岐点。私は右へ、青木くんは左へ、自転車をこいで家路についた。

 久しぶりに中学の同級生と話せてよかったって、嬉しかった日。

 がんばってるのは私だけじゃない。みんな、同じ。

「がんばらなきゃ」


  □□□


 少し古い市営のアパートに私の家はある。
 物心ついた頃にはここに住んでいて、お母さんもすでにいなかった。お父さんのお母さんである祖母が私のお母さんの代わりで……よくよく考えてみたらおじいちゃんもその頃には亡くなっていて、父、祖母、私の三人暮らしだった。

 中学の校区は隣の小学校も入るほどで、学年の生徒数は小学校時代の倍になった。隣の小学校出身である青木くんと同じクラスになったのは一年と三年の時。青木創という人物の存在をはっきり認識したのは、入学して一か月経たない頃、所属したい部活に入部届を出して間もないぐらいだった。
 昼休み、他クラスの女子がすごい形相で乗り込んできたのだ。

「創! なんで野球部に入らなかった!!」
「そんなの俺の勝手じゃん。そんなことでいちいち来るなよ」
「退団式のとき、中学でも野球やるって言ってたじゃん!」
「気が変わったんだよ」
「だからって何でサッカー部なんだよ!」
「うっせぇな! お前には関係ねぇだろ!」

 しばしにらみ合い。
 教室は二人の勢いですっかり静かになっていた。
 チッと舌打ちしたのを合図に彼女は踵を返し教室を去る。

 怒りのせいかもしれないけど、釣り目であるせいでちょっと怖そうな印象を持った彼女が桜井伊吹(さくらい いぶき)。青木くん曰はく「重度の野球バカ」だそうだ。青木くんとは幼馴染で家はすぐ斜め前だとか、スポ少で野球やってたとか。のちにちょっと聞いた程度。小学生の頃はとても仲が良かったらしいのだが、この件がきっかけで、二人の仲は険悪になったとか。

 私は活動があまり活発ではない部活、美術部に入部していた。
 小学校六年の頃からおばあちゃんが体調を崩しがちで、入院するようなこともあったので、家事の手伝いをしたかったから。
 結局おばあちゃんに恩返しもしてあげられないまま、帰らぬ人となったのが中二の夏。
 そして決意した。看護師になるんだって。
 入院生活を送るおばあちゃんを世話してくれる看護師さんの姿、お医者さんのサポートをする姿が私にはとてもかっこよく映っていた。そのときの私にはお見舞いに来ることしかできなかったから余計に。
 そうすることで、おばあちゃんや、おばあちゃんのお世話をしてくださった方たちに恩返しができるような気がしたから。
 自己満足って言ったら、そうかもしれないけど、私がそうしたかったから。


 そんな辛い中二の夏休みを終えて二学期、ある日の昼休み。
 いつも明るく楽しそうにしてる印象だっただけに、世の中すべてがつまらない、そんな表情で廊下を歩く青木くんの変わりように驚いて、避けたい気持ちも半分あったが声を掛けた。

「どうしたの、青木くん」

 ここで不良のような「あ゛あ゛?」なんて返事が返ってきたら、謝りながら去るところだけど、青木くんは無理して明るい表情を作ろうとしていた。

「あ、はい、羽山さん、お久しぶりデス」

 めちゃくちゃ怪しい、と思うぐらいに不自然だった。

「何かあった? 変だよ」
「うん、いやぁ、ちょっと……別になんでもない」

 と逃げるように去られた。絶対になんでもなくない、すごく怪しい。
 青木くんの後姿を見送っていると、肩を掴まれた。なぜ掴むの? ポンと叩いて振り向かせるじゃだめなんですか? 頭だけ振り向けばいつかの釣り目女子、野球バカ代表取締役、桜井伊吹さん!! なんで肩掴んでるの!!

「創のこと、知ってるの?」
「一年の時、同じクラスだっただけです」
「それだけ?」
「それだけです、いや、同じ班にもなりました、ハイ!」
「それで?」
「地域学習のとき、一緒に回ったこともあります!」
「何で敬語なの? 同級でしょ?」
「あ、そうだね」

 これが桜井伊吹との、初接触であった。
 そのまま人通りのない特別棟への渡り廊下まで連れて行かれた。

「アンタんとこも片親なんでしょ?」
「羽山です」
「あ、ごめん、羽山さんね」
「そうですけど……どこでそれを?」
「友達伝いでちょっと聞いただけ。それより敬語なんとかしろ」
「ごめん、気を付ける」

 なんとかって言われても、どうも怖そうでなかなかタメ口きけない。野球部で暴れてるとかたまに聞くし。っていうか、何で私が桜井さんと話してるのー? 絶対会話する共通点なんてないと思ってたのに。

「創んちの親、休み中に離婚しちゃってさ、今アイツ父親と二人暮らしなんだ」

 あぁ。
 そうなんだ。
 夏休み中にそんなことが。
 私も、おばあちゃん……。

 断片的にしか処理しない脳。

 涙、でてきた。
 なぜ?

「あー、桜井が泣かしたー」
「ち、違うって!!」

 教室のある校舎の廊下から、たまたまこの光景を見た男子が冷やかす。
 ほら、桜井さんが困っちゃうじゃない。

「ごめん、もしかして、羽山さんちも離婚?」

 私は首を横に振る。

「おばぁちゃん……」

「……へ?」

 桜井さんから困惑混じりの変な声が発せられた。
 私が落ち着くまで、桜井さんは側にいてくれた。通り過ぎる男子が数人泣かしたと冷やかしてはいたけど。

「アイツら、後でしばく」

 ウワサに聞く彼女なら、すぐに追いかけて成敗するところだろうけど、側にいてくれた。
 私も夏にあったことを桜井さんに話したことで、一人で抱え込んでいるより、ずっと心が楽になった。
 桜井さんは、抱いていた印象とは全然違って、根はすごくいい人だ。

「覚悟はいいか、テメェら!!」
「ひえぇぇぇ!!!」

 表向きがものすごく荒々しいことに変わりない。

 桜井さんから青木くんをどうこうしてくれなんてことはひとつも言われなかった。ただ、休み中にあった家庭の事情を聞いただけ。仲が悪いとウワサではあっても、桜井さんは青木くんを心配しているから、私に……何で私に?
 聞いてしまった以上、私は何かしなければならないのだろうか。桜井さんに聞いたからなんて言ったら絶対嫌な顔されそうだし。
 片親同士。
 何か変な期待でもされているのだろうか。アドバイス? 何の!

 桜井伊吹からの見えないプレッシャーが私を押しつぶし、追い詰められているような気分になった。


 ここでチャイムが鳴る。

「命拾いしたなぁ! 放課後、覚えてろよ!」

 桜井さん、元気だなぁ。

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椿瀬誠
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非公開
職業:
創作屋(リハビリ中)
趣味:
駄文、らくがき、ゲーム
自己紹介:
元々はヘンタイ一次創作野郎です。
絵とか文章とか書きます。
二次もどっぷりはまってしまったときにはやらかします。
なので、(自称)ハイブリッド創作野郎なのです。
しかし近年、スマホMMOにドップリしてしまって創作意欲が湧きません。
ゲームなんかやめてしまえ!

X(ついった)にはよくいますが、ゲーム専用垢になってしまいました。
@M_tsubase

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サイトは、更新する手段がなくなってしまったため、放置になっております。
修正しようがない量なので、あれはなかったことにしてください。
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